ごあいさつ

茨城県ユニセフ協会
会長 太田寛行
(茨城大学長)

冒頭から恥ずかしい話を申し上げます。私は、世界のあちこちで5歳の誕生日を迎える前に亡くなる子どもたちが沢山いることは知っていました。ただし、茨城県ユニセフ協会の会長という立場になるまで、その数の大きさは十分に把握していませんでした。公益財団法人・日本ユニセフ協会のホームページをみると、2018年は推計で530万人の乳幼児が命を落としていることがわかります。さらに驚くことに、毎年280万人の妊婦と新生児が予防可能な要因で亡くなっているのです。これは、11秒に1人が亡くなっている計算になります。改めて、世界の子供たちの厳しい状況に直面した思いです。

みなさんも、「ユニセフ(国際連合児童基金)」という名前を聞いたことがあると思います。ユニセフは、世界中の子どもたちの命と健康を守るために活動している国連の機関であり、1946年に設立されました。ユニセフの活動を支える日本の委員会として、1955年に日本ユニセフ協会が、さらにその地域組織として、2010年に「茨城県ユニセフ協会」が設立されました。こうして、私たちの地域と世界のユニセフの活動がつながっています。本協会は2020年には10周年を迎えます。これまでに、広報活動、募金、学習会等の企画を行って、ユニセフへの協力活動を展開してきました。

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に向かって世界が動き始めました。SDGsは、国連加盟193カ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。SDGsの17の目標では、子どもたちに関連する多くの課題が取り扱われており、SDGsとユニセフの活動は強く結びついていると言えます。また、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のためのアジェンダ2020」(2015年、国連総会で採択)では、子どもたちを保護の対象としてだけでなく、“重要な変化の担い手”として位置づけられています。すなわち、今の子どもたちが2030年には持続可能な社会を担っていく人たちになっているという考えです。私はこの考え方に強く共感します。

最後に、ユニセフは、国連本体からは資金提供を受けておらず、すべて民間からの募金と政府から任意に寄せられる資金によって支えられています。したがって、本協会の活動を通して、茨城の私たちの個々の気持ちが世界の子どもたちの希望につながるとも言えます。皆様のご理解とご支援をよろしくお願い致します。

 

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